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やること多すぎWeb制作:完結編

前回の続きです。

前回は、Web制作という仕事がめんどくさいことになっているという話でしたね。今回は、そんな現代のWeb制作事情を踏まえて、「どうすればスムーズにプロジェクトを進行できるのか」という話です。いわゆる、Webディレクションの“コツ”をお話したいと思います。

前回、「概念が無尽蔵に増えていく」という話をしました。具体的に言うと例えば、

  • SEOという概念の存在によって、SEO対策をやらなければいけなくなった
  • SNSの普及によって、ページごとにOGPの設定が必要になった
  • スマホの普及によって、レスポンシブデザインが当たり前になった
  • WordPressオウンドメディアを運用しよう
  • WordPressを入れるなら更新マニュアルも必要だ
  • Webマーケティングで重要なのはターゲティング
  • カスタマージャーニーマップを使ってペルソナの行動を可視化しよう
  • 企業SNSアカウント炎上対策のために社内研修を実施しよう

など。

下線部がいわゆる概念です。概念が概念を生んでいく様子がわかりますね。それによって、やることが増えてます。Web制作会社も。クライアントも。それが今。

結果として、「Web制作」というプロジェクトが、なんだか重たいものになっている感じなんですね。やることが多すぎて、一歩目を踏み出すことすら億劫になるというか・・・。

昔はこんなにやること多くなかったんです。昔っていうのは、2010〜2011年あたりです。facebookが日本で普及する直前くらいの頃ね。

今みたいに「あれもやんなきゃ、これもやんなきゃ」という状況ではなかった。やることは少なくて済んだ。と、いうか、やるべきことは1個しかなかった。

ただ、Webサイトを作ってればそれでよかった。僕らのミッションは、それ1個だったんです。

もともとは1個だった?

「今度会社作るからさ、Webサイト作ってくんない?」
「いいっすよ」
「いくらでできる?」
「30万くらいっすかね」
「いつ頃完成するかな?」
「まあ、1ヶ月もあれば」
「了解、じゃあよろしく!」

ちょっと極端ですけど、2010年頃のWeb制作ってこんな感じでスタートしてたんですよね。契約条件(金額や納期)がポンポン決まって、内部の造りはこっちに丸投げ、みたいな。いや、マジで。(笑)

こういう時代から年月を経て概念が増えていって、すっかり複雑化してしまった今がある。今はこんなに簡単に話進まないですよね。このテキトーな感じ?今じゃ考えられない。

昔はこんな感じ


Web制作は今、ものすごい細分化されています。

一言で「Web制作」と言っても、その内側でたくさんのタスクが発生している状況です。だから、やるべきことがいっぱいあるように感じるんですね。

今はこんな感じ


これらを全部終わらせないと納品できないってゆーね。
やってる間にクライアントの状況変わったりして、納品前に仕様変更とか出るんだよね。
それいちいち対応してたらホントにいつまで経ってもWebサイト公開できないってゆーね。

もちろん、1個1個やってけばいつかは終わるでしょーよ。止まない雨はないとか言うし。明けない夜はないとか言うし。
でもそんなチマチマチマチマやって1個のWebサイト作るのにしこたま時間かけて、一体誰が得するんだ?って話。

これは、「誰が悪い」っていう話ではないです。時代背景がそうさせているわけ。真面目にディレクションしたら、誰がやってもこうなります。「真面目にしたら」ね。

前回、「Web制作はシンプルに捉えることができる」と言いました。うまいディレクターってのはこれができてるんだよね。僕も一生懸命真似しましたよ。見方によっちゃあ不真面目なやり方だと思うかもしれない。でも、こっちのほうがうまくいく。絶対にね。

全体像を意識する

結論を言うとこれです。Web制作の全体像を常に意識すること。「俯瞰しなさい」なーんてことは、いろんな業界で言われてることですね。それのことです。ただ、これを聞かされても具体的にどうしていいかわからないですね。もう少し突っ込んでみましょう。

Web制作の内側ではたくさんのタスクが発生していますが、それを1個1個クライアントと協議を重ねながら丁寧にやってくんじゃなくて、大事なところだけをやるんですね。
大事なところだけはクライアントと協議しながら進めますが、それ以外のところは事後報告ベースで進めていきます。

ってか、ものによっては報告すらしません。勝手に進める。
(こっちに「任せてもらう」っていうニュアンスで捉えてくださいね)

こーゆーイメージ。

「モバイル対応」と「WordPress入れよう」が大事


ぼかしの部分は大事じゃないのでやらないか、やるとしても事後報告ベースでやる。

例えば、Facebookページを勝手に作って、クライアントには「作っといたよ」という事後報告を入れる、といったやり方。このやり方だと大抵は感謝されますが、万が一クライアントに「そんなことされたら困る」とか言われたら即刻削除すればいいだけ。いちいち「Facebookページ作りますか?」とか聞かない。

(ちなみに、「大事なところ」というのは案件によって変わるので、案件ごとに判断しましょう)

僕の周りには職種を問わず「デキる人」がいっぱいいます。彼らはよく「的を射た提案が大事」とか「ポイントを押さえればいいだけ」みたいなことを口にするんですが、僕が言いたいのもこれと同じようなことです。Webディレクションには、ポイントがある。押さえどころがあるんです。

ただ、僕は彼らほどデキる人間ではないので、僕が「ここが大事だ!」と思ったポイントがズレていることって時々あるんですよね。そーゆーときって、笑い取りに行って滑ったみたいでちょっと恥ずかしいんですけど。でも、多少暴走したとしてもあんまり大きな問題にはならないんだよなぁ。

はい。ちょっと脱線しましたが、全体像です。全体像を意識すれば、大事なポイントも見えてくるもんです。不思議と。

では最後に、「どうすれば全体像を意識できるのか」について解説しましょう。

外側に目を向ける

何度も繰り返しますが、Web制作の内側でたくさんのタスクが発生しているのが今です。だからと言って、真面目に内側ばかり見ていてもダメです。内側に囚われていると、本来重要ではないタスク群に振り回される恐れがあります。

大事なのは外側。
内側ではなく、Web制作の外側に目を向けるんです。

イメージはこう。


  • 何のためにWebを作るのか。
  • なぜ今なのか。
  • クライアントの業界の様子は?
  • 業界内でのクライアントの立ち位置は?
  • クライアントが描く理想は何か。

この辺のことを観察できれば、Webサイトのあるべき姿が見えてきます。全体像が描けてくるわけですね。

  • Webサイトの外側に目を向ける
  • Webサイトの全体像を意識する
  • 大事なところだけをやる

まとめるとこの3点ですね。これだけでディレクションは格段にやりやすくなります。

Webディレクションの専門書っていっぱい出てますけど、この手のセオリーはたぶんあんまり語られてないんですよね。大事なところが語られていない。だから、読んでもディレクションがうまくならないんですね。

なぜ、大事なところが語られていないのか。
次回はその謎に迫りたいと思います。