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やること多すぎWeb制作

毎年たくさんのWeb制作案件に関わっていますが、近年のWeb制作事情は明らかに複雑化しています。1個のWebサイトを作るのに、考えなきゃいけないことが多いし、決めなきゃいけないことも多いし、やらなきゃいけないことも多い。

その結果、制作にかかる期間がどんどん長くなっています。

これは、Webサイトの大規模化が影響しているという見方もありますが、うーん、どうでしょうね。僕個人としては、「20ページ程度の小っちゃいサイトが1年経っても完成しない」という案件を経験したこともあります。規模は関係ないってことです、はい。

「Web制作」というプロジェクトが複雑化しすぎてて、クライアントとの話し合いがまとまらないんですね。その結果、当初のスケジュールを大幅にオーバーしてしまう。「スケジュールはあってないようなもの」というのが、Web制作の業界では暗黙の了解になってんじゃないかな。
技術者の確保が難しくなっている現代において、この「スケジュールが読めない」ってのはまあまあヤバイ状況なんですよね。

さて、この複雑化。
なぜ起こっているのでしょう?

「Web制作はなぜここまで複雑化してしまったのか?」です。
ここに興味を持つ業界人はたぶんあんまりいないと思うんですけど、でもここが大事なんだよね。これを知っておけば、Web制作という仕事がずいぶん簡単に感じられるので。

僕は自分がディレクションする案件ならば、およそどんなものでも3ヶ月以内に納品できます。それは僕がWeb制作というものをごくごくシンプルに捉えているからだと思います。みんなにとってのWeb制作は複雑なものかもしれませんが、僕にとってはシンプルなものなんです。

いい感じに作ってアップするだけです。Webサイトなんて。

数々の専門用語がWeb制作を複雑なものにする

いっぱいありますよね、この業界。専門用語。

「えすいーおー」とか「ゆーえっくす」とか「しーえむえす」とか「れすぽんしぶ」とか「いんたらくてぃぶ」とか「りすてぃんぐ」とか「えすえぬえす」とか「うぇぶせっきゃく」とか「たーげてぃんぐ」とか「ぶらんでぃんぐ」とか。

あと「おうんどめでぃあ」とか「わーどぷれす」とか「いーえふおー」とか「しーてぃーえー」とか「ふれーむわーく」とか「えすえすあーる」とか「うぇぶかいせき」とか「ぴーでぃーしーえー」とか。

もういいって?
いやー、いっぱいある。まだまだ全然出せる。(笑)

専門用語多すぎなんだよ!
なんでこんなことになってんのよ!?

専門用語=新しい概念を言語化したもの

基本的なことですが、専門用語というのは「概念を言語化したもの」です。何か新しい概念が生まれたら、それを誰かが言語化することによって「専門用語」として根付いていきます。
例えば、「インターネット」というものがこの世に存在しなければ、「SEO」という概念は生まれようがないですよね。

ネットがあったからGoogleが生まれた。Googleが検索エンジンを作っちゃったから「SEO」という概念が生まれた。SEOという概念が「ブラックハットorホワイトハット」という概念を生んだ。パンダアップデートを、オウンドメディアを、CMSを、CTAを・・・、といった具合に、概念がボコボコ無尽蔵に増えていくわけです。

これが、僕らのWeb制作業界においても起こっています。とにかく次から次へと新しい概念が“誰かの手によって”産み落とされていく。(消えるものもあるけど。)それによって日に日に複雑化していき、クライアントの迷いを生み、「いつまで経ってもWebサイトが完成しない」という事態を生んでるわけですね。

「概念、言語化」などと大げさな言葉を使いましたが、こうやって僕らの仕事につながってるということを知っておいてほしかったんです。「言われてみれば確かに・・・」って感じでしょ?「何をいまさら・・・」って感じです?

では、ここから核心に行きましょう。(よーやく)
もうお気づきかもしれませんね。

「新しい概念」は、人為的に生まれています。誰かが作ってるわけです。これはつまり、「新しい概念によって得をしている人がいる」という意味でっせ、旦那。

概念と利益のイメージ

イメージ的ではありますが、「新しい概念によって得する人がいる」という意味を簡単に説明します。
「LPO(ランディングページ最適化)」を例に考えてみましょうか。

LPOという概念の存在によって、誰が得をしているのか・・・。簡単ですね。
ランディングページを作るWeb制作会社や、広告の配信を行う代理店などです。彼らはより多くの仕事を受注するために、世の中に対して

「成果の上がらないWebサイトなんてクソですよね」
「LPOって知ってます?」
「LPOをやればこんなに成果が出るんですよ!」
「ウチにはLPを作るデザイナーと広告配信のスタッフがいるので是非お任せください!」

みたいな文脈を作ります。これによってたくさんの仕事を受注しよう、という、一種のマーケティング戦略ですね。こんなのはごく普通のこと。何も悪いことはしてません。
こういう「文脈づくり」が、オフライン・オンラインを問わずいたるところで行われています。そしてそこには必ずと言っていいほど、都合の良い概念(専門用語)が挿入されているわけです。

新しい概念が生まれたら、それを解説する専門書籍が出ることもありますね。例えばLPOの専門書を執筆した人が、「なぜLPOが重要なのか?」的な情報発信をしだすことがありますが、これは必然です。だって本を売りたいんだから。

これが概念と利益のイメージです。まとめると、

  • 利益を上げるには文脈づくりが必要
  • 文脈を作るために目新しい概念が必要
  • 概念を浸透させるためには情報発信が必要

という感じ。
なんとなくイメージできますか?

では、最初の問いに戻りましょう。

Web制作はなぜここまで複雑化してしまったのか?

「複雑化」は、新しい概念が生まれることによって(情報が増えるから)起こるのでしたね。「新しい概念」は、端的に言えば、利益のために生み出されていくわけです。

さて。

日本は資本主義社会ですし、企業は利益を上げ続けなければなりません。ですから、これからも絶えず新しい概念は生まれ続けます。これに抗うことはできません。つまり、

Web制作はこれからさらに複雑化していく

と、いうことになります。
現時点でこの複雑化の波に飲み込まれている人、つまり、身の回りで

  • Webサイトをなかなか納品できない
  • やること多すぎる
  • 考えること多すぎる
  • 覚えること多すぎる

みたいな印象を持ってる人は、早いとこなんとかしないとマズいかもしれません。ほっとくと時とともに悪化していきます。冒頭で言いましたが、近年のWeb制作事情は明らかに複雑化しています。ほんの3〜4年前はこんなにめんどくさくなかった。

Web制作は複雑化の流れに関係なく、シンプルに捉えることができます。この考え方、コツを掴んでさえいれば、どんなに複雑化されても自分だけは惑わされることなくWebサイトを作っていくことができます。

と、いうわけで、次回はそのコツについて、解説します。